従業員 0 人、顧問先 60 社——AI 税理士事務所の自動化
公認会計士・税理士の畠山謙人氏が X に投稿した長文が、200 万回以上閲覧され大きな話題になりました。
畠山氏の事務所は従業員ゼロ。それでいて顧問先は 60 社。業界の相場では 6 名の人員と年間 3,000 万円以上の人件費が必要な規模です。Claude Code で構築した自動化システムにより、毎月 24 時間以上、年間約 300 時間の業務時間を削減しています。
素晴らしい事例ですが、さらに興味深いのは——畠山氏が数ヶ月かけてゼロから構築したシステムが、Tetora ですでに提供されている機能とほぼ完全に一致していることです。
畠山氏が構築したシステム
1. 毎晩の自動仕訳——2 段階 AI 判定
毎晩 21:00 にスケジュール起動し、freee API から 60 社の未処理取引明細を取得。勘定科目の判定は 2 段階で実行:
- 第 1 段階:キーワード辞書マッチング——14 科目、各 100 以上のキーワード。高速かつ API コストゼロ
- 第 2 段階:Claude API フォールバック——マッチしない取引のみ AI 判定。信頼度閾値を設け、低信頼度は人間に委託
ルールで処理できるものに AI を使わない、成熟した設計です。
2. MCP で 5 サービスを統合
freee(会計)、Gmail、Google カレンダー、Notion、Slack——すべて MCP 接続で Claude Code が指揮塔として統合管理。
3. Skill で「業務の型」を蓄積
繰り返しの業務パターンを Claude Code の Skill として定型化:
/freee-check → 未処理明細の確認
/mtg-followup → 会議後の記録整理
/ipo-analysis → 新規上場企業の分析
使うほど Skill が積み上がり、業務が加速します。
4. CLAUDE.md を「業務マニュアル」に
仕訳ルール、税区分、セキュリティポリシー、出力パス、判断の境界線——すべて CLAUDE.md に記載。ベテラン職員の SOP を AI が読める形式にしたものです。
5. 業務ログの自動記録
各タスク完了後に自動記録:手動での推定時間、AI 実行時間、削減時間。月次レポートも自動集計。
6. 事業所間のデータ分離
60 社のデータを company_id 単位で完全分離。取引詳細は各事業所専用のログファイルにのみ記録。
自作システム vs Tetora の標準機能
| 畠山氏の自作システム | Tetora の対応機能 | 備考 |
|---|---|---|
| 毎晩 21:00 のスケジュール実行 | tetora job add --cron "0 21 * * *" | cron スケジューラ内蔵、任意の時刻表現に対応 |
| Claude Code Skill(/freee-check 等) | tetora skill システム | スラッシュコマンドで起動、バージョン管理対応 |
| CLAUDE.md 業務マニュアル | SOUL.md + CLAUDE.md | 各 Agent に独立した性格・ルールファイルを設定可能 |
| 業務ログ(手動 vs AI 時間記録) | tetora history + Reflection | 実行コスト・所要時間・品質スコアを自動記録 |
| MCP 接続(freee/Gmail/Calendar 等) | tetora mcp add | MCP 設定を一元管理、複数 Agent での共有・独立に対応 |
| 事業所間データ分離(company_id) | 開発予定 | マルチテナント分離機能を計画中 |
| 2 段階 AI 判定(ルール→AI フォールバック) | Workflow YAML で定義可能 | DAG ワークフローの条件分岐で 2 段階判定を実装 |
重要な違い: 畠山氏はスケジューラ、ログ、Skill 管理などのインフラを数ヶ月かけてゼロから構築しました。Tetora なら、これらをスキップしてビジネスロジックの実装からすぐに始められます。
「現場の知識」こそが核心
大事なのは「何を自動化すべきか」を知っていること。その判断ができるのは、毎日現場で手を動かしているあなただけです。 ——畠山謙人
畠山氏は文末でこう強調しています:エンジニアではないからこそ Claude Code が活きる。税理士は「業務の型」を知っている——仕訳ルール、申告フロー、月次チェックのポイント。何年もかけて蓄積した実務知識は、AI が自力で生み出せるものではありません。
これはまさに Tetora の設計思想と一致します。
Tetora はプログラミングスキルを求めません。必要なのはドメイン知識です:
- 標準化できるプロセスを知っている → Workflow YAML に記述
- 判断の境界線を知っている → SOUL.md に記述
- 繰り返しの業務パターンを知っている → Skill として定義
- 何を自動化し、何を人間が見るべきかを知っている → permission level を設定
エンジニアは AI で「技術的にすごいもの」を作る。 専門家は AI で「実務的に正しいもの」を作る。 Tetora は後者を可能にします。しかもインフラをゼロから構築する必要はありません。